悲しみさえも throw away

@Leave all behind

最近はついったーの方で結構ぶつぶつ言ってるんだけど、まぁほっといても流れちゃうだけなんでまとめておいてみる。
ていうか改めてまとめてみて、こんな長い話をついったでするなとw最初からダイアリに書けよって話だよねw

ひとことで言うなら「なんで最初から照井さん主人公にしなかったん?」って話かもしれないw


その前に一応大前提として…だけど。まず物語の中では普通のヒト、人間と、そうでない異形のものがあるんだよね。んであとはもうちょっと高い視点でさ、その世界観の中で信じられてる善悪のルールがあるんだよね。で、ライダーっていうのは存在や力としては普通のヒトと異形の狭間に立った上で、最終的にはその世界で信じられてるルールを超えていく…っていうのが私の平成ライダー観の基本なのよ、多分。多分っていうのはまだ全部見てないからなんだけど!

【ここ読み飛ばし可】
私の場合どうしても印象に残ってるのがキバなのでキバの話をするけどさ。あの話の中での異形はもちろんファンガイアって種族で、渡はヒトと異形の境界上にいた…ってことは説明することもないと思うけど。問題は善悪のルールの方で、信じられてるルールっていうのは、人間サイドから見れば、「ファンガイア=悪」っていうルール。ファンガイアサイドから見れば「ファンガイアの掟」だよね。で、最終的に目指すポイント、最終的なあの世界での“正しさ”の象徴が音也でしょ。それはつまり「人の心の声(=音楽)を聞く」「誰もその自由を邪魔は出来ない」ってことであって、そこには人間サイドだろうがファンガイアサイドだろうが、あらゆるルールが介入する余地はない。だからこそ「人>>ファンガイア」っていう感覚が大前提にあって、音也のそういう性質を真に理解しようとしなかったゆりよりも、人だろうとファンガイアだろうと「美しいものは美しい」って言える真夜の方に音也は共鳴したわけじゃん。んで常にキングとクイーンというルールで行動し、あまつさえそのルールで真夜を縛ろうとした、ファンガイア側のルールの象徴であり、同時に「人間=下等」っていう、まぁ人間サイドのルールの裏返しでもある過去キングは倒されなくちゃいけなかったんだよね。で、一応人間サイドの「ファンガイア=悪」って規範の象徴は名護さんだったんかなぁって感じなんだけど、それは渡を擦り合わせてくことで後半で乗り越えてるしさ。あと兄さんは表面上は過去キングと似たようなことを言ってたけど、でもその底にはただ寂しいって感情…愛を求める感情がある、とかさ。まぁルールとか立場から始まる愛がないわけでもないだろうし、ゆりや過去キングみたいな愛の形がこの世の中で全部間違ってるわけでもないとは思うので色々歪んでる世界観ではあるとは思うよ?wただその自由とか心のはなしを考えずに不倫推奨するクソ番組とか過去キングがかわいそうとか言ってる人はほんっっとキバに向いてないから、したり顔で批評してないで黙っててくんねぇかな、って思うんだけどさ、私はwつーか実際に愛があったにしてもお前は許嫁で俺に従うことが決められてるんだから黙って云々とか言ってくる夫ってイヤだろw
【以上!】


で、まぁダブルにおけるルール、↓のついーとだと“境界線”とか“枠組み”って言ってる部分だけど、それは多分「誰かを犠牲にする悪意」だろう、って話は前にしてるのね。自分の欲望に誰かを巻きこむ…つまり風都の人々を脅かす=泣かせることに繋がる、悪意だろう…ってことで、「Oの連鎖」を見て思ったことなど。

シュラウドに照井家を巻きこもうという悪意はなかった、のはわかった。だからその点において竜がシュラウドを許すのは確かに筋が通っている。でも、それですべてを許してしまうのはなんかちょっと違うんじゃない?って気がした。
というのは、照井家のことはアクシデントだったにしても、シュラウドが自分の復讐のために他の誰か…それこそ翔太郎なんかを犠牲にしようとしたことには変わりがないからだ。
オールドのメモリを占い師に渡した時点で、彼女はその占い師や依頼人親子…つまり、翔太郎が愛する風都住民の日常を犠牲にしてもいい、もっと言えば依頼人に涙を流させても構わないんだと考えていたことになる。
「街の人の涙は見たくない」=「風都の人の想いを犠牲にはしない」っていうのが、ダブルにおける正義、正しさ、あるいは“境界線”であるわけで、今までの数々の行いからしてシュラウドは明らかにその境界線を超えてしまっている。そしてダブルは、境界線を超えたものに対しては実はすごく容赦がない
例えば井坂の死に際しての「悪魔にふさわしい最後」って言葉ね。井坂が境界線をとっくに振り切ったバケモノだってのは周知の事実ではあったけれども、あの突き放し方は結構容赦のない突き放し方だと思う
あるいは「復讐のV」。あの時翔太郎が示した信念は「どんなクズでも街の人間は殺させるわけにはいかない」…ではあったんだけど、ちょっとメタな視点で見るとひき逃げ犯グループは全員死んでるんだよね。ある意味井上的な因果応報に近いものがあるけど
結婚詐欺師の方は結局は生き延びたけど、そこに許される余地はなかったよね。まぁあいつの場合は完全に「悪意」だったからなんだけれども、でもそこで“反省させる”“改心させる”って方向、境界線のこちら側に引き戻そうとする動きはない。突き放してる。
で、シュラウドの場合照井家関係については当事者である照井竜が許すのであればそれで良いけど、でもそれ以外に犠牲にしたものまで全部、なんでシュラウドに限って許すのかと。だからご都合っていうか、芯が通ってないのにヒーロー的な台詞で誤魔化されてるって話なわけですよ

ヒーロー的な台詞で…ってのはその前に別の人と「みんなダブルに誤魔化されすぎじゃね?」って話をしてたからなんだけどw
まぁそれこそ「お前の罪を数えろ」って話なわけで、そら照井家に関しては悪意はなかったのかもしれないけど、シュラウドのやってきてることってそれ以上に色々あるでしょうと。今までは何がしかの悪意を持ってた連中って、翔ちゃんの鉄拳とか照井さんが逮捕するとか、まぁ何かの落とし前はつけてなかったっけか?と思うんだけど。今回の話だけでもオールドを焚きつけたことは罪にはならんわけ?依頼人の劇団での母親同士の事情とか愛とかはどうでもいいけどさ、でもそこでメモリの力を悪意ある人間に使わせたことであの人たちの気持ちが踏みにじられたこと…というか。シュラウドの復讐って目的のために他の多くの人を巻き込んだことは構わないわけですか?…っていうのがね。すっきりしなかったのですよ。
大体今の翔ちゃんにとって大事なのって、街の人?相棒?何?

つーか、「何もしない」とか言う前に翔太郎にあやまれ!ってはなしだよね!今まで散々呪いの言葉を吐いておいてさぁ!確かにシュラウドからしたら翔太郎は想定外なのかもしれないけど、でもそこで翔太郎とフィリップのコンビで認めるならまずは翔ちゃんに謝って、これからもよろしくとか言えっつーの!

それとも復讐を諦めることがシュラウドにとっての罰なんだろうか…でもなんかあぁまで喋ったらお父様に対して何も動かないわけないし、これシュラウド一人勝ちじゃねぇの…

なんかアレかな、Wが中途半端なのは、園咲家が悪いもの、敵にあたる存在であるってことを結局明文化しなかったことなのかもしれない。これがオルフェノクとかアンデッドとかファンガイアだと、人とは違うもの、人間を襲うことが常識であるとされる者たちなんだよね
彼らは人を襲うとされているけれども、中には分かりあえる者もいる、っていうかオルフェノクなんか元人間だし、ファンガイアは芸術・美で分かりあえる。アンデッドだって平和のために力を貸してくれる者、人の心を理解する者がいる
だからその種が人間の敵である、っていう、その作品世界内で信じられている枠組みをそれぞれの主人公が壊して行くわけだ。だからこその主人公だし、その枠組みを、心や信念で超える…っていうのが、まぁ仮面ライダー的であると私は信じてるんだけど。
Wの世界はなんていうかメモリを使うもの=全部悪、ってわけじゃなくて、悪の基準を結局メモリ使用者個々の悪意に持ってっちゃってるから、園咲家=悪っていう枠組みに、ハマり切れてないんじゃないかなぁ。
壊す枠組みがなければ、その枠組みを超えるものとしての主人公って成り立ちようがないし。だから今回の話なんか悪意の煽りを受けた側である照井がシュラウドを許すことで、シュラウドの復讐っていう本来なら許されない、悪意という枠組みを超えてるから、照井が主人公になってんだよね
悪意こそが悪であるっていう枠組みしかないと、悪意の煽りを受けてない翔太郎はその枠組みを壊しようがないんだよ。もっとちゃんとメモリは全部悪、それを作ってる園咲も悪!だったら、園咲家長男である相棒の存在を枠組みを超えて肯定する、っていう主人公に成り得たんじゃないかなぁ
確かに今までの平成ライダー、っていうか白倉(&武部)ライダーって表面上の言動的にはヒーローっぽくないものが多かったから、ストレートにヒーローくさいことを言ってくれるダブルに安心するのはわからんでもないけど…それに誤魔化されて話の中の芯とか軸がブレてんのまで許容はできないぞ、私はw

一応全体としてはそこまでブレてる…ってほどでもないかもしれないけどねー。例えば園咲家が執着するのが人の悪意そのもの、とかだったら良かったんじゃないのかねぇって気がするよ。あるいは中途半端に昔は良かったとかしないでさぁ、園咲に生まれた以上は地球のために云々しなければいけない!とかね。…そう考えるとほんとお姉様がわかんねぇんだが。というか私があんなにも若菜にムカついてたのは、園咲=悪っていう、この番組内でのルールになると思ってた枠におさまってくれなかったからなのかも。だってそこが確立してなきゃ後々のカタルシスが望めないもん。まぁそれ以前に色々無神経なとこにも腹立ってたけどなw

うん、でもほんと園咲が何してるのかよくわかんなないよなぁ。計画は最終段階に入った、って言われても、どこへ向かっての最終段階なんだろうねって話だし、そこに生まれる危機が何なのかわかんないよね。若菜が黒化したあたりでもうちょっとわかるかなぁと思ってたんだけどな…。財団とやらもどう噛んでるのかいまいち見えないし。一応園咲より財団の方が立場は上なん?

結局園咲の存在が、翔太郎が愛する風都に対してどういう脅威になってるのかわからないと、翔太郎はいつまでたっても話の外なんだよね。なんか別のとこでちょこっと「翔太郎が絡まなくてダブルつまんねぇ」的なこと言ったら、「終盤で謎や伏線の回収に入ってるからどうしても翔太郎は置いてけぼりに見えるかもね」とか言われたんだけど、現状もう謎とか伏線とかいう問題じゃないんじゃね…だって何が謎なのかわかんない…っていうか、今のとこの謎って全部フィリップ周りのことで、それってイコール園咲のことで、その園咲がなんなのかわかんない、ついでにフィリップに対して翔太郎がどう思ってるのかイマイチ出てこない*1んじゃ、翔太郎を絡ませないように話を運んでるようにしか思えないもん。本気で主人公として立ててくつもりなら、このタイミングで老人化して動けない話をするか?しなくね?一体全体塚Pはライダーとは何で主人公ってどういうものだと考えてるのか小一時間伺ってみたいわ。ヒーローっぽい台詞言ってればいいわけじゃないだろ、話の中で主人公の役割を果たせる位置にいないとダメだろ!


ついでに

思ったんだけどWの台詞が無駄にヒーロー的なのは塚田さんのこだわりなんかなぁ…そういえば高寺さんもかなり「ヒーロー」ってものにこだわっていた気はするけど(高寺ライダーのキャッチコピーは両方ヒーロー入ってるし)…東映早稲田閥と趣味が合わないのか…田崎監督もアレだしなぁ…(笑)

…田崎監督は嫌いじゃないけど時々意味分かんないから挙げただけだよ!画面のレイアウトはばっつぐんにカッコいいと思ってるよ!

*1:「おまえは道具なのよ」に対してリアクションがなかったのはほんと無いわーと思った