30-DELUX The Ninth Live「デスティニー」

5/19 19:00〜
作・演出:毛利亘宏
佐藤アツヒロ 風間俊介 タイソン大屋 清水順二 城咲あい はねゆり 相馬圭祐 大山真志 楠田敏之 坂元健児 他

あと少年社中の森さんとか、JAEの新田くん*1とかいた。新田くんはあんまりわかんなかったけど。森さんは必要以上に濃いw

どうしようか多少悩んでたんですが、東映さんHPで紹介されてるの見たときにやっぱこれ行かないと後悔するなーと思って見てきました!だってさ、チラシの「協力」欄が50音順なんだけど、「ジャニーズ事務所ジャパンアクションエンタープライズ/少年社中」って並んでてほんと俺得すぎるだろうというw

まぁこれもTwitterには色々書いてたんですが、軽くまとめときます。


ざっくり言ってしまえばこの手の劇場・劇団にありがちなアクション活劇ではある。ファンタジー要素が入りつつ、キャラクター重視の感じもまぁー、覚えがありますよ。原作漫画がありそうな感じというかw
んでそういうタイプの舞台の例にもれず、視覚的にはすごく良いのよね。衣装は大体はポスターと同じなんだけど、あのエスニックなような西洋風なような不思議な感じが世界観をすべて語ってると言っても過言じゃない。舞台自体も丘と橋(?)のあるセットで転換しないんだけど、丘の地面の色が綺麗で印象的。殺陣がすごく多いから、その丘や橋の高低差がアクションに変化を付けてて良い感じだったと思う。
その殺陣は、さすがに皆さんすごく上手い。特にアツヒロくんとかざぽんはもうさっすが!!ジャニーズに一番必要なのは運動神経だというのが私の持論ですが、このお二人はその中でも相当ハイレベルだよなぁ。特にアツヒロくんは見せ方も華やかで、トップアイドルはちげぇなぁとw彼の場合は新感線の影響もあるのかな。あとタイソンさんと清水さんもいろんな動きに経験が感じとれるし、城咲さんの立ち振舞いの優雅さはさすが元宝塚だし、坂元さんも大きい舞台にたくさん出てるだけある堂々さがカッコよくて、役柄的にもみんなそれぞれ適材適所だったと思います。
あとはまぁ当然と言えば当然かもしれないけど、それぞれの殺陣の動きがお芝居だったよね。すごく殺陣の分量が多いわりに2時間弱しかないので、大事な感情の部分は動きで語る感じ。そういうの結構好き。


ただなぁ、2時間しかないせいか非常に駆け足。っつーか、各キャラに設定ぶっこみすぎてストーリーライン上でいまいち消化できてないと思うんだよね…と思ったところで全然関係ないけど、以前の鴻上尚史さんのツイートを思い出すなど。

これはメンバー固定の劇団の話なので、今回のとはちょっと違うんだけど。ただ毛利さんも「少年社中」って劇団の作家さんだってことを考えるに、キャラクターの重さのバランスというところでフラットにしちゃうのかなと思った。しかも今回の場合経歴も所属もバラッバラに濃い人たちが揃ってるわけで、その濃さに応じた個性をくっつけたくなる気持ちはわかる。よーくわかる。けどもやっぱり時間が足りなくて全体の話を転がすことに精一杯で、設定を超えた個性まで踏み込めてないのがどうも上っ面な感じでなぁ。
特に問題だと思ったのは、一番最初のジンの欲望が伝わってこないのね。生き延びるためならどんなにみっともなくても生きようとする…っていうのは設定の話としては分かるんだけど、いま現在そこにいるジンのその欲求が真に迫って来なくてねぇ…ここの心情に納得が出来ないと、ほんと最後までよくわからないんだよなぁ。まぁこれはもしかしたらアツヒロくんがテムジンとしての佇まいに説得力のあるキャスティングだったのもあるかもしれんけど*2、でも最初はなぁもう少し、演出も含め丁寧にやってほしいなぁと。
あとこれはアンケートにも書いてきたんだけどw悪魔がわからない!私あの悪魔がわからない!なんであのキャラであの役回りで、人を理解しようとして思い悩むキャラ設定入れる必要があるんだろう?そして思い悩んでいる割にテムジンに対しては容赦ないし、全然わからなかった。というかだね、テムジンにしろアランにしろナルキスにしろグリューンにしろ、いろんな人間が運命に従ったり対抗しようとするはなしならば、悪魔はその運命の象徴であるべきなんじゃないか?であればなんのための、あの徹底した“異形”なんだ、と思ってしまうのだよね。


つーか私見てる時はあんまり毛利さんだって意識してはなかったはずなんだけど、無意識に気にしてたのかどうなのか、ちょっとライダー思い出したりw
そもそもテムジンと悪魔の関係もある意味オーズっぽいと言えなくもないんだよな…。いやテムジンは全然映司っぽくない、むしろ自分が生きるためなら誰をも犠牲にするから真反対なんだけど。まぁでもよくある契約ものと言われればそれまでではあるので、むしろ一番私のセンサーに触れたのはアランかな。だってアランが星に願った「本当の自分に戻りたい」なんてもろじゃん!しかも終盤追い込まれた時に発した「俺はせめて、『誰か』でありたい」って台詞とかね!うーわって思ったよねwわたしそういう話たくさん知ってる!!ってw
まぁそうでなくてもアランはすごく良かった。というか風間が良かった。これ私贔屓目入ってるんじゃないかと思ってあんまり言わなかったけどなんかそう思ったの私だけじゃなかったらしいので言っちゃいますが、ぶっちゃけあの舞台に出てた役者さんの中で風間が一番上手かった。技巧的なところから、そうでない部分まで一番だったな。例えば私は2階席から見てたんだけども、最初城咲さんとか相馬とか、アツヒロくんまでもどうも声がいまいち聞きとりづらくてどうしようと思ったら、風間が出た瞬間あまりに明朗な声だったしさ…。シュタッと出てきて一言目から説得力がやばい。そして最初から最後まで、ほんと最後の方の声を荒げるような芝居のところでさえすっごい聞きとりやすいのね。なんなんだろうねあの声の良さ。動きも当然みたいにものすごくいいし、お話的な立ち位置としてもいわゆる“境界線上”の者だし、私の中ではアラン主人公に設定されつつあるwだってあれ、アランはテムジンとグリューンの丁度まんなかに居るんだもの。欲望としてさ。ひたすらに生きたいと思うテムジンと父の意志を継ぐべく戦うグリューンの真ん中で、国のために戦っていたはずがグリューンやアイシャとの友情を胸に死んだアラン、じゃん。だからさ、Twitterにも書いたけど、“『わたし』なんてのは欲望や望みや願いに支えられてるようでいて、つながりの中にあらわれるものだってとても強い『わたし』なんだ”っていうね。テムジンが姫を殺める時に、涙した理由もそういうことなんじゃね、と思うし。アランはそのへん一番強く背負ったキャラクターだったし、風間がアランを演じることでその部分にものすごく説得力がついてた。


あとナルキスのこととかいくつか思うことはあったんだけど、ちょっとどう言語化してもうまく言えないっつーかもやもやが残るから、まぁいいや。とりあえず上で触れてないことでついったで言ったことを貼っておきます。

*1:「笑ってコラエて!」に出てた40期生リーダーの彼

*2:将軍になってからのテムジンのかなしい黒さはほんっとカッコよかった!!