君は1人じゃない

@Cyclone Effect


仮面ライダーW
第48話「残されたU/永遠の相棒」
第49話(最終話)「Eにさよなら/この街に正義の花束を」


1年間お疲れさまでした。ま、まだもう少し続くようではありますけれども。



…感想と言うかまとめというか呟きといま思うことの諸々…だけど、主張しておきたいことはひとつです。


あたし、あんなグズグズした翔ちゃんが見たくてこの1年間付き合ってきたわけじゃねーんだけど。


なんだろう、序盤はすげぇ楽しくて食らいつく勢いで見てたんだけどwなんかこんなにちゃんと感想書いたものって初めてだし…というかキバとディケイドはちゃんと見てたけど、毎週感想を残すって発想がなかったわけで、んでそういう発想をつけてくれたってだけで私にとってダブルは大きな作品になったことは間違いないのだけど。まぁきちんと毎週書いてるわけではないけどさw考えながら見るようにはなったかな…それが良いのか悪いのかはともかく。
うーん、最初はどこだろうなぁ…霧彦さんの退場時かな。あの時は確かに驚いたし、なんで!?とは思ったけど、でも割と他所で見かける感想程にそれを嘆く気にはならなかったんだよね。霧彦さんは好きだったしナスカのデザインは全ドーパントの中でもほんとに秀逸だと思ってるし、君沢くんの変なキャラwも好きだけどさ。でも結局私は園咲霧彦それ自体に強い思い入れはなくて、「なんで!?」って思ったのも、ダブルの、左翔太郎のライバルキャラとして、対に置かれる者だと思っていたキャラクターがここで失われてしまうことへの「なんで!?」だった。当時の感想にも「霧彦さんには翔太郎のライバルとして死んで欲しかった」って書いてるしね、私。だからあの最期には…冴子さんの手で殺されるのは萌えたけれども、でもあの話全体での描かれ方はあんましっくり来てなくて、まぁそれでも一応、“街の愛し方にもいろいろあるよね”という提示だったのかなぁとぼんやり思いつつ、入れ替わって登場した竜くんの”街を嫌っているキャラクター”、それまで出てきたキャラのほぼ全員が無条件に風都を愛していることに対してのアンチ的なキャラの登場で、違う角度から話が回ることへの期待に結構すんなり頭は切り替わったんだよね。
なんだけど、結局開始2話でするっと馴染んじゃってるし、街を嫌ってたような描写もなんかするっと流れてるしで、「あれっ?」って。何より竜くんの登場で、妙に翔太郎の芯であったはずのところが揺らいでるというか安易な方に流される描写が出てきて納得いかない話が出てきた。まぁぶっちゃけ「還ってきたT」の話ですけどw台詞はカッコいいんだけど、全体の絵図を考えてみると何言ってんのかさっぱりわかんねぇって話だったよねアレ…多分あれダブル全体で3番目くらいに嫌いな話だ。
だけどそれでも第2部はまだ良かった。というか、結局第2部の私の視聴モチベーションを支えてたのは「左翔太郎が活躍してくれることへの期待」で、だから人形の声(「Pの遊戯」)とか割とどうでもいい話を挟みつつ、ツインマキシマム…えーと「Dが見ていた」か。あぁいうところで翔太郎の“あくまで街の人を救うために戦う”っていうことを再確認させてくれるような話でものすごく燃えたんだよ。しかもそのためには自分の身が犠牲になることさえ厭わない、ってさ、周りはハラハラするけどだからこそその意志の強さが映えるってもんじゃない。んでそれを踏まえての「風が呼ぶB」だよね、戦う力だけじゃダブルは成立しない、翔太郎の、誰かを救うために守るためにその想いに応えるために戦うという意志が必要なんだって話、だから翔太郎はフィリップがそれを求める限りはその想いに応えるから…っていう誓いでやっぱり燃えて、ついでに萌えたりして、ぐっと引き戻されたし。ていうかあのあたりはまだ中盤だし時々は亜樹子や竜に花を持たせる話があってもいいかな、ってくらいの気持ちもあったからさwだから小出しにされるフィリップの特異性についての情報を片隅に記憶しつつ、終盤でその特異性に対して、そしてその過程で対峙するであろう園咲家の人間に対し、翔太郎がどういう“決断”で立ち向かってくれるんだろうって期待を持ったまま見ていられたから、まだ楽しかったんだ。


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…私にとっての“ヒーローの条件”ってきっと、何かを守るために戦う人のことであって
それさえあればいっそ“正義”や“勧善懲悪”なんかいらないと思ってる。
特に平成ライダーなんか、ヒーローとその敵の使う能力は本質的に同じものである、っていうのが大前提にあるわけだから
怪人は悪で、それを殴るヒーローは正義!って規定してかかって、“勧善懲悪の王道”とか持ち上げることってほんとにバカバカしいと思うのね。そんなライン一本ですっぱり分けられるほど、怪人とヒーローの距離は遠くねーだろと。
だからこそヒーローはさ、誰かを何かを守りたいっていう想いを持ってたり、気付いたりして、そのために戦い抜く者じゃないとならない。…サンダーバード*1だよね、私いつもあの曲聴くと泣きそうになるんだよw
そしてその守りたい想いに妥当性があれば、伝わってくるものがあれば、“正義”なんて言葉を持ち出す必要ないじゃないって思うのよ。むしろそんな言葉を盾にするのが陳腐に思えるもん。…まぁ使うのは勝手だけど、どっちにしても想いの前提あってこそだよね。

(その上倫理的な正しさがどうとか、子供番組としての描写がどうとか、因果応報とか、そんなのは私の思う面白さには全然関係ないし。いや描写として検討はするけどさ。)
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前から何度も言ってることの繰り返しになるけど、子どもの頃から「この街の人間には誰ひとり泣いてて欲しくない」と思って街の人を守るために探偵をやってて、かつその師から託された相棒に「おまえを守って勝負すると決めた」って、最初から言い切ってた翔太郎はすごく早い段階から私の中ではヒーローになってたんだよ。
おかげで若干翔太郎好きのメーターが振り切れすぎて、フィリップに対する興味が薄れるくらいにな!
そうだよぶっちゃけ私フィリップに関しちゃ、なるようにしかならないんだからまぁ勝手にやってよくらいだったからね!竜くんなんか言わずもがなだよ!あの人はまぁカッコイイからなんでもいいやーくらいだったわよ!


そんなんで臨界点を迎えたのが私の中でのワーストエピソード「来訪者X」なわけですよね、何度も言ってるけど。それまで小出しにされてたフィリップの特異性*2が明らかになったところで、まずそこでフィリップが悩まない意味がわからない。自分が想ってきた人で実の姉が、家族が、ずっと倒すべきだと思ってきた組織の人間だってことに対して葛藤しない意味がわからない。んでそれに対して翔太郎が何もしない意味もわからない、っていうか“二人で一人”であるべきだって言ってきたのに、それを選んだのは間違いなく二人の意志であったはずなのに、そういうこれまでの経緯とか気持ちとか無視して“家族”っていうただひとつの事実だけで物語の核にあるべき意志を放り出してるのがほんっと、一体なんなんだろうね?っていうさ。それはさ、改造人間は悪魔の技術の産物だからどんなにその人がいい人でも殺されちゃうのはしょうがないよねーって言ってるのと同じレベルじゃね?
つーか話は飛ぶけど最終回にあたって二人で一人であるのがダブルのテーマだからあぁいう描かれ方になるのは当然だ云々言ってる人を結構見たんだけど、だったらほんとにこの時のはなしって何だったんだろうって思ったよ今…このエピソード以降、翔太郎にとってフィリップの存在がより一層大切になった、みたいなエピソードだってなかったよね?なのにどうしてあの異常にあっさりとした別れからこっち、彼らが二人で一人であるべきだなんて言えるんでしょうかね。むしろあれ以前の方が二人の絆、お互いを大事に想う気持ちはちゃんと描かれてた気がするんだけど。「Gの可能性」の、「あなたはものなのよ」ってあのシーン*3を持ち出すまでも無く、「来訪者X」から「Kが求めたもの」の間の翔太郎にフィリップを相棒として慮る気持ち、守ろうとする気持ちって全然感じられなかったよね?どっちかと言うとフィリップと若菜の周辺でよくわからない陰謀的ななにかを巡らせてるだけでなんの成果も生まない話ばっかりで、しかも翔太郎はずっとそのよくわからない話からでさえ弾きだされっぱなしだった。「Gの可能性」での亜樹子のパシり扱い、「Oの連鎖」での老人化、極めつけは園咲家に対する最終決着で在るはずの「Kが求めたもの」での恐怖への陥落。確かにその合間合間に翔太郎が誰かを守ろうとする描写はあった、あったけど、それがフィリップと園咲家に対してなんの働きかけにもなって行かないんだもん。その間に翔太郎の感知できないところで話は進行してる風だし、んで結局、「Kが求めたもの」に至っても、翔太郎の守る意志が何かの決断に繋がることは…そもそも翔太郎が介入する余地さえ、用意してはくれなかったじゃん。


で、「残されたU」、この辺は若菜関係のあれこれも相変わらず腹が立ってしょうがなかったんだけど

…なんで街を守ることがフィリップの意志だった風になってたんだろうかと。*4一番肝心な、左翔太郎ってキャラの根幹を為すはずのその意志でさえフィリップのものにしてしまうのって、もう翔太郎になんか恨みでもあんのかレベルだよ、私からしたら。だってそれさえ奪われたら、「風が呼ぶB」の話でたったひとつ彼を支えたそれさえなくなったら、翔太郎には本当に何にも残らなくないかなぁ…。


そして最終回。まぁ細かい話の中身はどうでもいいよ…てか、EXEだっけ?あの子供らとか叙述トリックとか、ほんとどうでもいいとしか思えないつーか、既に怒るのすらめんどくさくなってたんだけど、だけどやっぱあたし翔ちゃん好き…なんだよねーw

だから最後くらい、カッコいい翔ちゃんが見たい、見れるんじゃないかって、実はうっすら期待してたんだよ、きっと。期待を捨てられないのね、私w…だって多少繋がりを無視してでも、カッコいいことするじゃん、ダブルってさ。しかも今回は1年後だし。多少は何か変わってるとこあってもいいと思うじゃん。…全部期待の裏返しですよー私のはw
なのにどうしてこんな風になっちゃったのかなー。“二人で一人”だから、二人でいることが正解、それ以外は全部間違ってるのはわかるよ。“番組としては”最初からそうだもん。でも、姉のために消滅することを受け入れたフィリップと対を為すはずの、翔太郎の強さが結局なにも見えなかった。最初の頃には見えてたはずの…むしろ最初の方こそ、ハッキリと見えていたはずの彼のヒーロー性が全然見えなかった。やせ我慢はいいよ、でもそのやせ我慢はなんのため?ってことでしょう。しかもやせ我慢って言うくせに明らかに亜樹子に気遣われてるし、それに甘えてるようにしか見えなかったんだよね、あのガレージに入るときのリアクションは。せめてこの話の中でくらいもっとちゃんと取り繕ってくれたら、少しはすっきりした気持ちで終えられたかもしれないのに。相棒がいなきゃ何も出来ない?ひとりで若菜を救出したじゃない。…仮に今は状況が違うのだとしても、どうしてあの時と同じ心意気で街の人を守るって言えないのかな。だって“街を守る”ことは翔太郎がずーっと昔から持ってた想いで、師のために守ろうとした相棒との約束だったじゃん。そんなの無かったみたいに、ただフィリップがいない、その一点でグズグズしてる翔太郎なんて、最後の最後に見せられたくなかったよ。フィリップを守れなかったってことならともかく。復活が軽いとか陳腐とかそういう話じゃない。*5…そんな翔太郎を見るために、何の“意志”も“決断”もなく、戻ってきた相棒をただ迎えるだけの翔太郎を見るために、私はこの番組を見てたわけじゃないんだよ。


…あぁそうそう、あの少年…嘉数一星くんって、翔太郎の子ども時代やってた子だよね。…どうせなら冬映画で翔太郎の過去話でも入れてくれないかなぁと思ってたんだけど、これでその目も潰されたなー。まぁ今更翔太郎の過去とか、諦めてたからいいけどさ。でも勿体ないよなぁ嘉数くん…もう一度くらい見れるもんだと思ってたけどな、2話の時には。






左翔太郎が主人公として在れないなら、私にとってダブルの物語は大半が意味を失う気がするのです…あのお人好しで女に弱くてカッコつけの薄ら寒いバカが、愛する街と大事な相棒・仲間のために戦う話でないと

…2か月前のわたしのツイート。(ちょっと訂正済)ふぁぼられてたんで思い出した。ほんと、なんでこうなっちゃったかなー(棒)

*1:V6

*2:の一部だったけど結果的には

*3:後編アバンね

*4:その前の大事な人を襲ってくってのも、エリクイなんか出番すらなかったのに、大事な人たちって、「…はい?」って感じだったけど。まぁそれはいつものダブルの「ソウイウコトダカラ!」でいいけど別に

*5:いや陳腐だけどwてかあまりに予定調和すぎーとは思ったけどさwあと番組としての生死観がひどいとも思う、「死んだ人間は生き返らない」ってなんだったのビギンズナイト